歩いて3日目【平塚宿→大磯宿→小田原宿→箱根峠】残395km

2018:東海道五十三次 通し歩き

やってやるぜ。
朝は気合いの4時起床。


↑天気は晴れ!雲も無し!

5時に出発!
平塚宿を経由し大磯宿へ向かいます。


↑八幡大門通り・浜大門通りの道標 平塚八幡への参道がここから延びているそうですね。

さすがに朝5時ともなると誰もいない。


↑平塚宿の江戸方見附跡 見附とは関所のような場所なので、石垣が組まれていたんですね。


↑平塚宿脇本陣跡 本陣は大名しか泊まれなかったけど、脇本陣は一般人も泊まれた。
本陣は大名縛りのせいでやがて経営難に陥るけれど、脇本陣はその点フリー。


↑高札場跡


↑平塚宿本陣旧跡碑


↑神奈川銀行前にちょこんと置いてあった。


↑西組問屋場跡


↑5時半には大磯町に突入!


↑高来神社


↑松並木の残る化粧坂(けわいざか)車はほとんど通らず。松並木のすぐ外は民家。


↑5時45分、化粧坂の一里塚。江戸から16番目!(64km)


↑立て看板で浮世絵か?しげみ邪魔~、解説の文字小さすぎて読めない。


↑6時、大磯宿の江戸方見附跡


↑小島本陣跡 看板色が抜けててよくわからなかった。

足の調子は良さそうだ。
昨日も水を抜いて綺麗に拭いて一晩乾燥させた。
歩きだして1時間経ったけど、痛いけど大丈夫なレベル。

ちょうどコンビニがあったので朝ご飯休憩。
特に食欲が無いんだよなぁ。
朝食がっつり食べる派の私ですが、この旅は全然食べられません。


↑サラダチキンだけでお腹いっぱい。胃腸系がちゃんと働いていない感じはする。
食べないと絶対バテるだろうし、ゼリーは流し込んで出発。ゼリー選んで正解だった。

足の水はたまってるけど、そこまでひどくない。まだ大丈夫かな。
抜かずに様子を見てみましょうか。


↑湘南発祥の地 大磯


↑6時半、上方見附


↑午前中に小田原まで行くのが今日の第一目標。18km…5時間か。


↑東海道松並木 両側に松並木が立ち並ぶ。

宿場と宿場の間を歩いて移動する旅人を暴風などから守るために、松並木は作られていました。
でも松って結構もろいので、現代は残ってるところは少ないそうだ。
この時はまだあんまり感覚無かった。でも浮世絵にも必ず松並木が描かれてるんだよね。
旅後半になるにつれ松並木を見かけると「東海道っぽい」と思うようになったし、
江戸っ子たちもこの下を、それこそ浮世絵と同じように歩いていたんだろうなぁと思うと、
同じ場所を、同じように荷物背負って、同じように京都目指して歩いてるって、
時代を超えてぐっと来るものがある。


↑6時45分、日本橋から70km!全部歩いて、自分の足だけで来てるのか!すごいな自分!


↑今日も見守ってくれてます(*´ェ`*)


↑7時、国府本郷の一里塚。江戸から17番目!(68km)


↑7時15分、二宮町に突入。


↑7時45分、日本橋から75km地点。
歩行速度は時速約4kmなんで、70km標示から1時間以上歩き続けているという事だ。
写真も無いし、なんも無かったんだろうね…。
いや、ちゃんと東海道レポしてるブログ見ていると間にもいろいろあるんだけども、
こう、私は興味無かったんだろうねぇ。

ここらは旧道が国道1号と重なっているので、交通量はそこそこ多かった。


↑7時50分、押切坂の一里塚跡。江戸から18番目!(72km)

ちょうど通学の小学生集団がいて、道路の横断をおまわりさんが見守りしている。
たまたま一里塚の目の前におまわりさんの原付が停まっていた。
一里塚の案内を読みたかった私は原付にめっちゃ近づく。目が悪いから近づかないと見えない。
軽く挨拶したけど、明らかな不審者と思われなくてほっとする。


↑間宿(あいのしゅく)である二宮宿の松屋本陣跡

小田原宿と大磯宿の間は16kmと長いので、間で休めるよう間宿が設けられた。
間宿は宿場ではないので原則宿泊は禁止。
それなのになんで本陣って言うのかなと思ったら、大名専用の休憩所だったからだそうで。
間宿のもっと小規模版が立場(たてば)と言って、いわゆる峠の茶屋とかがそれにあたる。
これだけ人が行き来する幹線道路なんだから、休憩場や飲食処は必ず求められるもんね。


↑面白いのは完全に人の家なんですよ。この植え込みとかはここのお宅が植えてるんだろうか。


↑7時55分、小田原市突入!!ヾ(≧▽≦)ノ


↑自転車で走ってきたおばちゃんが飴ちゃんくれた。頑張ってねって!


↑伊豆かな?

8時にもなると足が痛い足が痛い。歩き出してから3時間か。
左足はもう水も溜まっていないのか…ちょっとだけ出たけど少し黄色がかってきたのが怖い。
いくら針を刺しても水が出てこないなら、これ以上つっつくのは止めた方が良さそうだ。
押すと痛いけど水っぽいぶよぶよ感は無くなってきた。
このままかたいマメになってくれるのだろうか。
そしてやっぱり、問題は右足だ。調子良いかもと思ったのは朝だけだったな。

今日の目標は午前中に小田原着、お昼を食べて箱根峠というまた詰め込んだアレなので、
気持ちは急くが心の中では落ち着けと繰り返す。
めちゃくちゃ余裕を持って出発しているので、午前中に小田原着は確実に大丈夫だろう。
あとは箱根峠でどれくらい時間がかかるかという点、合わせて足がもつかという点、
それに今日こそ道の駅で青空野宿だし、実は近所なのに箱根の道の駅は行った事なくて、
どんな道の駅かわからない&テントなし寝袋のみでちゃんと寝れるかという点で心配は山盛りだ。


↑9時、日本橋から80km!この標識だけが楽しみになりますね…。


↑9時40分、小田原宿 江戸方見附と一里塚跡 江戸から20番目!(80km!)

小田原の町に入っていくが、足がやばい。
右足が痛すぎてどこが痛いのかわからなくなってきた。同じだ…左と同じ運命か。
左は限界まで痛い時期を過ぎたら水もたまらなくなって、
まだ痛いけれどピークに比べたら落ち着いてきた気がするから。
このまま左右とも水がたまらなくなって、痛みも我慢できるレベルに落ち着いてくれるのだろうか。

そうだといいんですけど(´・ω・`)
今までに無いレベルの水膨れだし、2週間以上歩き続ける予定だし、
すべてにおいて予想ができなくて不安しかない。


↑10時、ファミレスで朝定食(637)昼のつもりだったけどまだモーニングの時間だった。

ご飯の大盛り無料だったのでお願いした。
これから恐怖の箱根峠越えだ。しっかり米を食わねば絶対に力が出ない。
ただでさえ出発してからあんまり食べてないんだから。
でも温かいご飯は美味しいな!卵ふたつとも半熟で、ご飯の上でつぶして卵かけご飯状態だよ。
大盛りも余裕で食べられたし、むしろまだ食べられるくらいだった。お腹空いてたんだなぁ。

1時間たっぷり休憩して、11時に出発。


↑明治天皇小田原行在所址


↑小田原っぽい写真が必要かなと思って。ういろうの本店らしい。

観光地である小田原の街並みを足早に通り過ぎる。


↑11時20分、日本橋から85km!


↑板橋延命子育地蔵尊
ここにいたおじちゃんおばちゃんに応援される。


↑箱根登山鉄道と並走する1号線に合流。歩いている人、誰もいませぇぇぇん


↑小田原の道祖神と、風祭の一里塚。江戸から21番目!(84km)


↑12時20分、箱根町突入!


↑三枚橋の手前で歩道橋を渡り、左側歩道から旧道に入ります。


↑15kって15,000円…じゃないですよね、15kmって事ですかねッ!?


↑12時半、箱根旧街道入り口。近道と!いやだまされませんよ、それでも15kやろ(´・ω・`)

さぁいよいよ箱根峠へ挑みます。

とはいえ旧道を通りますので、国道とは別に細い車道が併走するような感じ。
あまり車とは出くわさない感じですかね、安心してざくざく進みましょう。
と思ってたら普通に舗装路ですし、旅館があるのか車もそこそこ多い。
結構なコンクリ急坂をえっちらおっちら上って行きます。

車が余裕で走り抜けていく横を、登山と同じ要領でペースをあげずにゆっくり登る。
無心に登ってたけど、ふと疑問を抱く。そういえばいつまで舗装路歩くんだろう?
はいはい、道を間違えた事に気付いて1kmほど戻りますよっと。

有名な箱根の石畳を通りたくて…


↑石畳って、くだりかーーい!(`ε´)

いま箱根峠登ってるのにくだらせるんかーーい!
絶対あとでまた登るやつやーーん!(( ;゚Д゚))

実は地味に右膝が痛くなってきた。
午前中痛かった右足のマメがむしろ落ち着いてきたんだけど、なんでだろう。
膝の痛みの方がつらいから指の痛さが気にならないのかもしれない。
膝が痛い。くだりが本当つらい。
登りはいいんだけどね、くだりがね…石畳ほんとちょっと勘弁して…。


↑沢を渡って


↑登ります

現代みたいな道路を作る技術は無いので、旧道はいったん沢まで降りて、
沢を渡ったら登ってという昔ながらの道なんですな。


↑そして再び舗装路を歩きます。
何度か沢を渡るための、のぼっておりてを繰り返す。

天聖院の駐車場でくじけて座り込む。
膝も痛いけど、やっぱ指も痛い。靴下脱いで水を抜いて乾かす。
買っておいたドライフルーツとナッツのミックスパックをつまみながら水分補給。
掃除をしているおっちゃんを眺めるも、ここで座ってても状況は何も変わらない。
どんなに遅々とした歩みでも、足を動かし一歩でも前に進めば、目的地は近付く。

行こう。歩かなくちゃ終わらない。早く終わらせるには頑張るしかない。そういう旅だ。

いざ行こうと座り込んだ状態から立ち上がるが、右膝がビキビキ痛む。
歩き出せば指が引き攣れる。
しばらく歩くと指の痛みが鈍くなってくるけど、くだり坂で膝が嫌がる。
右足、右膝とどちらも右側。肩も痛み出すのは右側だ。
膝は特に無意識にかばうから左足に負担かかりそうでヤバイ。


↑須雲川自然探勝歩道


↑微妙に東海道とは違うルートみたいなのでやめておく。
舗装路より遊歩道の方が足には優しいとは思うんだけども。めっちゃ虫飛んでそうだし。


↑箱根大天狗山神社


↑でも旧道と遊歩道がかぶってるエリアもあるんだよね。


↑舗装路に出たり入ったりを繰り返す。
わかりやすい案内が立ってるので、詳細地図が無いけど道なりに進めば迷うことはない。


↑沢を渡って~


↑のぼっておりて


↑大澤坂

永遠に着かないんじゃないかと思ったけど、なんとか畑宿へ到着。間宿ですね。
自販機あるじゃん…コーラ買おう。


↑14時40分。天聖院のところで一度休憩しただけで4時間歩き続け。


↑つらい。畑宿ってことは、あと7kmくらいだろうか。半分か。

ネットカフェでカロリー補充しておこうとジュースとココアばっかり飲んでるけど、
私のエネルギー源って今のところほとんどジュースなのでは。
右足だけ水を抜いてたっぷり休憩。
右膝はしゃがむのもつらくなってきた。座ったり立ったりは左足だけでスクワットだな。

外人のペア観光客に戸惑いながらの挨拶をされ、ベテラン勢気取って余裕の挨拶を返す。
全然疲れてませんよ私、的な!


↑ふと見上げた空が良い空で。
改めて感謝の気持ちを忘れていた事に気付く。
そうだ、晴れてるだけで旅人にとっては幸せだった。
今日はなんて良い天気なんだろうか。
つい、体の痛みとかつらいとかしんどいとかグダグダ考えてしまったけれど、
天気が良い、それだけで十分幸せじゃないか。
こんな趣味の延長というかもう究極の自己満足なのに、こんなに晴れてくれるなんて。

ゆっくり気持ちを入れ替えたら15時、行きますか。
その前に一度母にメール。
一応大丈夫だとは思うんだけど、無事箱根に着いたら連絡しますと。
迷う事はないとは思うけど、全然誰ともすれ違わない山道にちょっと不安だった。


↑再び舗装路から外れます。車進入禁止で本当に誰も通ってない。ここまで歩いて来る人はいない。


↑畑宿一里塚跡 江戸から23番目!(92km)

ここからは再び旧道らしく石畳の道が増えていきます。


↑国道の上を通ったり


↑こうして見ると結構雰囲気は良い感じやね。

ところで、上から虫が糸でぶらさがってるの止めて欲しい。
私マジで芋虫系苦手なんですよ。足下で慌てて動き出すの止めて欲しい。
そんなん山歩きしてたらしゃーないかもしれないけど、
いやほんと…芋虫毛虫ダメですわぁ。


↑どこに突っ込む!?1.2km?七曲り?勾配10%!?


↑イマイチ迫力が撮れてませんが。箱根行った事ある人はわかるでしょう。


↑15時45分、追込坂 甘酒茶屋までのゆるい坂道ですって。

まぁ、箱根峠でしんどい坂道は無いよね。
膝とか足のマメで私が痛い痛い言ってるだけで、登山と比べたら道整ってるし余裕だと思う。


↑15時50分、甘酒茶屋に到着するも、特に休憩するつもりも無かったので素通りしてしまう。
なんか建物あるなーくらいでふと見たらフェンス越しに看板だった。

そこで出会ったおっちゃんには中山道を勧められる。
おっちゃんは病気する前はよく28kmとか歩いてたけど、
今は調子がいいときにこうやって部分的に歩いて帰るんだって。


↑16時、箱根旧街道 元箱根まで四十分の標識。最後の登山道、という表現がぴったりだ。

「箱根の峠が厳し過ぎて、旅人はこの坂を上る時にどんぐりのような涙をこぼした」
みたいな案内看板があって、ちょっとフフって和んだんだけど、
写真撮ってる心の余裕はなかったね。

土の道をのぼってやっと、芦ノ湖、到着…!!


↑16時45分、賽の河原かな?

旧街道に入ってから6時間あまり。平塚から考えたら約12時間。孤独な戦いだった(ノД`)・°

とか感慨に浸っている暇はなく、出たところはちょうど遊覧船乗り場。
大型ツアーバスと大騒ぎの観光客。ほぼ外国人。
湖畔にそれぞれの国でグループできてるんだけど!

ちょっと甘いものを…とヨーグルトドリンクで補給。
コンビニの店員さんが外人ばっかり相手にしているせいか、
日本語で会計したのに最後に「サンキュー」って言われたわ(;´Д`)

異国情緒漂う湖畔で再び足を休める。道の駅まではあと3kmなんだ。
あと3km…もう少しなんだ。ダラダラ歩いても1時間もかからない。あとちょっとなんだ。
キャッキャ騒いでるグループの声を背中で受け、西日を浴びてしばし呆ける。
なんで歩いてこようと思ったんだろう。明らかに場違いなのだが。
軽装サンダルな人々は車で楽に登ってきたのだろう。私はなんで歩いてるんだろうか。

達成感はほとんどなくて、すごいせつない気持ちになってきた。
ちょうどザックに芋虫ついてたの発見し、払い落した芋虫を踏んじゃう前に出発しましょう。

黙って靴を履いてザックを背負う。ザックの重さはあんまり気にならない。


↑17時、箱根旧街道一里塚跡 江戸から24番目(96km)


↑杉並木が続く。タイムスリップしたかのような感覚。素晴らしい。


↑行きたかったけどぉ~今日はもう無理ぃ~


↑一応経由してみたんだけど、なんか観光地だったので写真撮らなかった模様。

湖畔を過ぎたらもう黙々と、狭い道路脇を車にはねられない事を祈りながらのぼる、のぼる、のぼる…


↑箱根宿の標示

道の駅・箱根峠に着いたのは17時半。
座りたい気持ちをぐっとこらえて、まずは偵察だ。
トイレと喫煙所の位置を確認、出入りや屋根の場所、向き、寝れそうな場所を探す。
あーーーー設営しにくい道の駅だ(つД`)

とはいえ、今回は別の場所に移動する気力体力ともにありませんので、
誰がなんと言おうとここに泊まります( ゚∀゚)


↑建物の裏側は展望台になってて、こんな感じ。

ベンチがあったのでひとまずそこを拠点にしよう。
タイツを脱いだら体が冷える前にレインウェアを着込む。

トイレあんまり綺麗じゃないね…光で虫がたくさん集まりそう。
東屋的なのを期待したけど無いので、この青空ベンチに…マットしくか?
ここ風当たりどうなんだろう。展望台だし寒そうだ。
働かない頭でいろいろ策を考えながら、急いで日記を書いてしまう。

自転車ウェアのおにーちゃんと目が合ったので少し話す。
自転車で名古屋から埼玉に帰る途中だという。
3日しかなくて、今日中に箱根は越えておきたいらしい。
もう18時近く、すぐに日が落ちるというのに、くだるのか…寒いぞーー!
昨日は160km以上走ってもう股が痛いって…笑えるわかる(*´Д`*)

19時を過ぎても、建物の中では施設のおっちゃんが券売機の調整をしていて明りがつきっぱなし。
実は、従業員口がちょうど囲いになってるし屋根もあるから最悪そこに…って考えてたんだけど、
様子見てるとまだまだかかりそうだし、もうとりあえずベンチで寝てみよう。
寒かったら起きるだろうし、その時には施設の人もいなくなってるだろう。
レインウェアのまま寝袋にくるまってみる。
が、予想以上に寝袋の保温力は高かったようだ。
とても暑くて寝ていられないので、途中でレインウェア脱いだ。
このまま朝までいけそうだ。
本当に疲れた。何も考えたくない。

 

【記録】
平塚宿(平塚駅前)→箱根峠(道の駅):35.0km
歩数:62,271歩
歩行時間:5時~17時半の約12時間半(休憩含む)

【支出】計1,462円
朝 ウィダーインゼリーとサラダチキンとエビアン750ml:554
昼 エッグ和定食:637
飲むヨーグルトと明日朝用クリーム玄米ブラン:271


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