朝5時起床。
とりあえず着替えようとなったものの。
「なに探しとん」
「いやタイツがねー、見つからん」
「昨日あれだけ、着る物まとめて置いとき言うたやん」
「他の物はあるんやけど、タイツだけなぁ…やれやれだぜ。これも運命や、今日はタイツ無しやな」
「いやタイツなしは寒いで。オレの予備はく?」
「サイズちゃうから無理や。ていうかメンズのタイツってなんか嫌~(股間的な意味で)」
探し物に対して諦めの早い私はすっかりタイツ無しで行こうとズボン履いたけど、
24さんはわりと探してくれるんだよねぇ。
そんな探されるとなんか悪いから余計探しにくい…
なんつの、必死で探してる様子を見せたくないというか。
そして善意でタイツ貸そうとしてくれる(;´Д`)パッチ
「前も小銭入れ無いって言ったけど、しょうこさんは物をよく失くすなぁ」
「失くしてはないわい。隠れてるだけだから必ずどっかにある。小銭入れも出てきたじゃん」
「せやけど」
「あ、あったー!靴の下敷きになっとったで。こんなところに隠れとるなんて悪い子や」
「……( ´,_ゝ`)」
どこかに忘れて置いていく事は少ないんだけども、見えないところに隠れる事がよくあるというか。
失くしてるわけじゃないんだ、迷子になってるだけなんだ…(´;ω;`)ブワッ
気を取りなおして、顔を洗って出発。
宮崎のバイクがゴソゴソ活動を始めていたが、
やはりそれなりに年配の方っぽかったし、ちょっと我々も急いでいたので特に話しかけず。
↑朝焼けが綺麗。
おにぎりとカップラーメンを買っていざ剣山へ。
1時間半程山道。
紅葉は確かに綺麗だが、なかなかグネグネ、すれ違いしにくい狭い道。
以前登った事があるという24さんは道を知ってるので、ナビ役は要らず、
ていうかまぁ一本道なのでナビも何もありゃしませんわ(´・ω・`)
↑紅葉を撮ろうとしてすごい失敗した写真…をそのままUPしてしまう私。
7時半ごろ駐車場到着。
山道結構しんどかったので、休憩しつつゆっくり登山準備を始める。
しかしめちゃくちゃ寒いんですけど!
吐く息白くなるし、昨日の装備では寒くて、さらにレインコートを着込む。
半袖+長袖パーカ+フリース+レインコート、今回の洋服で一番重ねた結果…
「寒い(´・ω・`)」
「ダウン持ってこなかったん?」
「だって事前に話した時にダウン要らんって言ったやん…って、ちゃっかり着てるし!」
「いや要らんと思ったけどやっぱり寒いかな思ってオレは持ってったで」
「なんだと…!裏切り者ヾ(*`Д´*)ノ」
まぁ動いてれば暑くなるので、
登山開始しちゃうとフリースも脱いで半袖にパーカーでOKでしたけどね。
そんなこんなで駐車場で準備をしてくると一人のおっちゃんが近付いてきた。
「いや~参った、ここに来るのってあの道しか無いの!?」
「あ~、すごい道でしたね」
「君たちもつるぎ町から来た?帰りもあの道とか嫌だよ~」
「ははは、あの道しか無いですねェ」
山梨から来たという早期リタイアのおっちゃん。
一人で観光しながら旅しているそうだ。車中泊では無いのかな?
剣山はどこから向かうにも酷い山道で、
多分つるぎ町からが一番近いのかなぁ…どこが一番いいんだろうねぇ…(´・ω・`)
↑それでは、8時に登山開始!
剣山神社にお参りし、裏手に続く登山道へ。
リフトはまだ動いていないし、お店も開いていないので静か。
登山客は他に数人。さっきの山梨おっちゃんと、ご年配の夫婦くらいかな。
↑それでは行きましょうか!
紅葉というか落葉ですかね。さすがに石鎚山レベルの紅葉は無いかなとも思う。
ここの山頂は熊笹でゴルフ場のような一面緑らしいので、それを期待。
↑熊笹増えてきました!
雑木林の中を黙々と歩く。
林で覆われて外は見えず、日も当たらないので薄ら寒い。
だが動いてるとホカホカしてくるのはいつもの事。
だいたい開始10分くらいで私は脱衣タイムを設ける。
「しょうこさん、暑くなったら言ってな」
「うむ、24さんは大丈夫かい」
「オレはちょっと暑いくらいがちょうどいいんや」
たぶん私より着てるし、筋肉量多いから発熱量も多いはずなのだが、
24さんは基本的にちょっと汗ばむくらいが快適らしい。
私はひんやりくらいがいいけどなぁ( ´,_ゝ`)
ゆるやかな上り坂、徐々に開けてリフト降り場へ到着。
ちょうど山頂の影に入ってしまうため日は当たらず暗いまま。
次郎笈(じろうぎゅう)へのトラバースルートが崩落?だかで通行止めらしく、
大剣神社経由の道を選択。今日は次郎笈からの剣山登頂予定です。
↑雪じゃないのに真っ白な岩!の破片が転がってる。綺麗(*´ェ`*)
日陰の小道を軽快に歩いていく。
↑9時、大剣神社到着。
「天地一切の悪縁を断ち切り 現世最高の良縁を結ぶ」という、
大きな岩の前の社にお参り。
縁切りというのは、人間関係だけじゃなく、
悪い事が続いた時なんかにも良いらしいですね。
右側から階段を下りていくと、神社の裏側に回ります。
↑これですね、大きな岩!立派(*´∀`*)
やっと青い空を拝めて少しテンションあがってきたところで、
湧水・御神水(おしきみず)へ。
↑左の穴に静かに水が湧いています。
「美味しい水は味が無い。素材の味を邪魔しないのが名水だ」とは蕎麦で有名な某県の方が言ってた事ですが、
たしかに味が無い。無味無臭とはこのことか。
喉も乾いてないしで携行しているお茶は全然減ってない。
水を補給する必要もなかったので、喉を湿らせる程度ですぐに出発。
ずっと日陰でそろそろ太陽とこんにちはしたいなぁ(´・ω・`)
↑つららに霜柱。霜柱って可愛いよね(*´ェ`*)
↑やっと景色が開けてきた!
↑目指す次郎笈はあれですかね。
↑最後の日陰を進みます。
↑尾根に出てきました。
↑周りは熊笹で日陰は一切無し。太陽あったかい(*´ェ`*)
が、ポカポカから段々アツアツへ。
小休憩をはさんで次郎笈へ向かいます。
ちょうど山梨のおっちゃんがやってきた。
「あれ?君たちどっから来たの?」
「大剣神社経由です」
「えーー??そんな道あったんだ!」
「リフト乗り場で看板出てたでしょ」
「あれー?全然気付かなかった」
もう剣山の山頂も越えてきたらしいおっちゃんは、
そのままサクサクと通り過ぎて歩いていった。
「おっちゃん、地図も見ずに山登ってるなんて危ないな」
「思いこんだらまっすぐなのかもねぇ」
私もこういう観光地だったら地図持たずに登ってしまうのだが、
24さん的にはちょっとどうなの…という事らしい。
地図とコンパスは持った方がええよってよく言われる。
一応コンパス持ってるけど使った事ない(´・ω・`)
↑さて、行きますか!まずは目の前の次郎笈へ向かいます!
さっきまでの暗い林とは一転し、
全身で太陽を浴びつつ、左右に紅葉した赤い山。
これが黄色や赤やオレンジの木がポコポコとまるでキノコのようでめちゃ可愛い(*´ェ`*)
写真撮ってなかったんだよなぁ…
新しいカメラ使いこなせてなくて、この日の午後からちょっと使い方わかってきたんだけども。
色があんまり綺麗に写らなかったわけですね。
目の前は熊笹で覆われた緑の山頂、風は無くポカポカとご機嫌なルート。
「すごいねぇ、完成されてるねぇ」
「剣山はそんなに難しくないのに、山登りって感じの景色を楽しめるから、登山初心者にはオススメや」
「始めて登る山がこんな所だったら、他の山も登ってみようってなるよね」
急登は最後の少しだけで、
ほとんどがゆるやかな小道なので、終始ご機嫌に歩いていける。まるでハイキング。
だけど尾根道みたいに左右開けて進行方向もしっかり見えているという贅沢な登山ルート。
↑どこ見ても綺麗。
↑10時、次郎笈(1,930m)登頂!
↑振り返ると剣山の山頂です。
↑一面紅葉だったんだけども、暗く鈍い色になっちゃったねぇ。
↑登山道の周囲は熊笹、そこより下には紅葉。
↑山梨のおっちゃんはここでラーメンを食べる事にした模様。
「このね、山頂で食べるラーメンが美味しいんだよね!」
「ええですよね」
「昔はただ登っておりてだけだったけど、そうすると山頂にちょっとしかいないんだよね」
「あー、わかります」
「せっかく登るんだからもっと満喫しようと思って、そしたら最近の楽しみはラーメンになった」
このおっちゃん面白い(・∀・) せわしなくてマキちゃん系だよね。笑
ずっと車でブラブラ旅してるみたいで、5月の阿蘇はビーナスラインみたいだったとか、
関西の24さんは「??」だったけど私とは山梨・山中湖トークで意気投合。笑
剣山の山頂にはベンチやら休憩スペースがあるらしいので、
我々はそちらに登ってから昼飯としましょう(・∀・)
ちょうど若い女性二人組が写真撮りながら登ってきたので、入れ違いで下山します。
↑登った急登を一気にくだって、次は剣山を目指します。
登山客は結構多いみたいだ。
ソロで登ってる方や軽装で駆け降りていく若い子ともすれ違う。
私のペースがあがらず、結構のんびり登る事に。
↑10時40分、剣山(1,955m)登頂!
↑しつこいけど、紅葉がね…!めっちゃ綺麗だったのに…!!全部茶色に写ってるぅぅ(´;ω;`)ブワッ
↑山頂は保護エリアらしくて、木道で完全整備。
山頂の土は踏めませんでした(´・ω・`)
リフトの所まで木道がしっかり整備されてて、
さらにめちゃくちゃ高整備されたトイレが…まさか山頂で温水便座があるとは…(;´Д`)
そして一気に増える観光客。
今日はまだ人が少ない方らしいけれど、
シーズンになるどすごい混雑らしい。
それを見越してか至るところに休憩エリアというかベンチというか、整備されてるなぁ…。
さて、お昼ご飯を食べましょうか。
↑今日はカップラーメンを準備しました!
「山頂のカップヌードルは本当に美味い。これをしょうこさんにも味わって欲しい」
「スープ飲み干せるか心配や(;´Д`)」(流すわけにはいかないので飲みきらないといけない)
「と、思うやろ?山頂のラーメンは格別だからスープまで飲めてしまうで(・∀・)」
↑それでは、次郎笈を見ながら頂きましょうか!(*´∀`*)
「ハフハフ(*´ェ`*)温かい…うっま」
「せやろー」
「これは…飲めるッ…飲めてしまう…飲み干せるぞー!\(^o^)/」
↑あーおいしかった(´・ω・`)フゥ
やけに大興奮してハイテンションな集団の横を通って、剣山神社へ。
↑剣山神社、本宮です。
リフト乗り場へ下る道は、あまり面白味の無い道。
剣山のみをリフトで往復する人は、この山の楽しさをほとんど味わえないんじゃないだろうか。
ぜひ次郎笈まで往復するのがオススメだね(*´ェ`*)
12時15分、リフト乗り場まで到着。
朝は動いているように見えなかったけど、ちゃんと動いてたわ。
↑リフトで下ります~。
↑目の前に見える道がつるぎ町からの道。紅葉綺麗(*´ェ`*)
↑13時、駐車場到着。下山完了!
さて、今日はこのあと行きたい場所があります。
運転大変だろうけど、頑張ってね24さん!(・∀・)
↑酷道与作と言われる国道439号。
四国ツーリングの時に走らなかったその先の道です。
↑イイ感じに紅葉してますね~。
「おおー!(パシャパシャ)」
「ええなぁ、オレ景色見る余裕無いわ」
「相変わらず細くてカーブの多い道やなぁ」
↑見える山が全部赤くて黄色くて、どこ見ても楽しい。
↑13時半、奥祖谷二重かずら橋へ到着。
大歩危で有名なかずら橋ではなく、ちょっとした秘境感漂う奥祖谷のかずら橋です。
ここに来るには大歩危から酷道を30km程走って来なければならず、
信号が無いというのにバイクでも1時間はかかります。
それでも絶対行った方がいいという、私が四国で全力でお勧めするスポット。
今回は剣山からなので約10kmくらいかな。それでも20分くらいかかりましたね。
あまり観光地然とはしておらず、受付のおっちゃんも相変わらずな感じ。
↑来ました、まずは男橋!
↑カメラ落としそうでマジ怖かったわ。
剣山への登山ルートがあるようで、登山口こっちの分岐看板がありました。
なかなかボリュームのある縦走路になりそう。
橋を渡ったところで、小さなハシゴで河原に降りられる。
小さな滝があって水しぶきを浴びつつ、ふと見上げると…
↑おお、良いアングル(・∀・)
女橋から戻る時、カメラの設定を変更。
今までの風景や紅葉モードでは赤がくすんで全然綺麗に撮れなかったんだけど、
これでやっと見た目通りに鮮やかな紅葉を写せるようになりました(*´∀`*)
↑これ!こんな感じですごい赤かったよー!
↑奥に見えるのが男橋。うーん、たまりませんね!
↑やっと紅葉が撮れるようになったよ…
「昨日の段階で撮れたらよかったんやけどな」
「だよねー。昨日の石鎚山で撮るべきやった…致し方なしや」
かずら橋のおっちゃんに徳島に抜ける道の情報を聞く。
相変わらず何を言っているかよくわからないものの要約すると
「どこも酷い道だから、どこ通っても変わらない」
「ICに抜けるからつるぎ町へ北上するのが人気だが、距離的に最短を考えたら439から438号」
「どこの道も酷いけど通れない事はない」
うーん……(´・ω・`)
ひとまず、剣山登山口へ戻りましょう。
↑カメラの設定を変えるとこうも鮮やかに写りますか。
微妙に色の違うカラフルな黄色やオレンジの木がポコポコと、
ほんとこれキノコみたいで可愛いと思うんだけども(*´ェ`*)
↑見渡す限り一面がこの色だからね!ハッピーな気持ちになるわ。
また同じ道通ってつるぎ町行くのもねェ…あそこもなかなか疲れる山道だったし。
ていうわけで、徳島までまっすぐ向かえる438号を通る事に。
これが、正解だったのか不正解だったのか…(;´Д`)
↑おおおおおめっちゃ紅葉じゃん!!
山の斜面を走りながら、徐々に標高を下げていきます。
右手側にも同じような山が連なり、視界が開けると全面に紅葉の山!
↑こんな感じで、道のどこにだって素晴らしい紅葉が。
↑ほら!もうやばいっしょ!やばいっしょ!!(*´∀`*)
↑もちろん眼下は当然のように鮮やかな山!
「しょうこさんはガードレールとか道路とか写ってもええんやね」
「え?だってほら、人工物あった方がスケール感が伝わるかなと」
「オレは絶対入れたくない」
「わしはむしろ、ここまで人の手が入ってるよ的な意味で入れたい」
というわけで、時々24さんに写真を頼まれるが、だいたい構図とかばっちり指定される。
紅葉はとにかく綺麗の一言、まさにご褒美タイムだったんですが、
道が…道がね…酷いんですよ…。
↑こんな感じで。
「ええとー、ヘアピンカーブが4か所程続きます。まず1個目」
「了解(ぐいー)」
「……」
「あれ、これ西に向かってない?(太陽の位置から)」
「この先のヘアピンで東に向くから大丈夫…そしてまた西に向いて、最終的に東へ向かう」
「なるほど」
「すごいジグザグや…」
「どしたん、眠いの?」
「いいえ、ちょっと酔いそうです」
「大丈夫?ナビええから窓開けて、外見ときー」
げっそり口数の減った私を適度に構いつつ、
24さんの安全運転で神山町を目指す。
温泉マークがついてるので、そこらでお風呂に入る予定でした。
が。
土砂崩れによる通行止めにより492号で北上せざるを得なくなる。
せっかく東に向かっていたのに…5km以上西に戻らねばならない。
再び山道をグネグネ走る。
「2時間走り続けてるけど信号に一回も停まらん」
「…コンビニも見てないね」
なんとかICまで出てこれたものの、車を止めずにこのまま徳島まで突っ走るという。
さすがに一度休憩した方が…と言うも、
ホテルつかないと安心出来ないから、このまま走りきるつもりらしい。
外は真っ暗、さすがに眠いだろうと話し相手になろうとするも、
あんまり喋りたくない(疲れた)という事なので、無言で夜景を眺める。
18時過ぎ頃、ホテル到着。3時間以上運転していた24さんお疲れ様(;´Д`)
近くのコンビニで夕飯を買ったら食べてすぐ就寝。ていうか疲れて撃沈。
↑贅沢にトン汁とサラダを買っちゃった(*´∀`*)
コメント
宗像大社の宝物倉に九州最古の鎧がありましたよ。足利尊氏が奉納したそうです。見ましたか?
神宝館には行ってないです~…
大鎧でしょうか?今度行ったら寄ってみますね~。